心の力を活かす スピリチュアルケア

著者 ウァルデマール・キッペス
体裁 A5判 244頁 並製
定価 2300円+税
ISBN978-4-900354-98-2





突然訪れる死や他人に依存しなければ生きられない状況に陥ったとき、心の苦痛が生まれる。このような苦痛を専門に扱うケアが、欧米の医療機関では広く行われているが、日本では認知されず、絶望の淵で過ごす方が少なくない。
本書は50年にわたる日本とドイツでの患者訪問を通して培った、病んでいる方への力付け(=エンパワーメント)の集大成である。キリスト教を一つの入口とした実践例は、他宗教、無宗教の垣根を越え、全ての方に共通した道筋となるであろう。


1章 後回しにされた心の教育
 1 心の定義 
 2 社会の状況    
 3 心の位置 
 4 心の教育        

2章 医療に不可欠なもの
 1 スピリチュアルケア教育研究機関    
 2 病める人からのスピリチュアルケア
   

3章 全人と全人的        
 1 人間像           
 2 人間尊重と尊敬――「物」と「者」   
 3 病院の中心は「人」か「病気」か          

4章 生きる目標と活かせること 
 1 信念と生きる目標        
 2 「活かせる力」対「滅ぼす力」 
 3 自他を活かす(せる)あいさつ 
 4 「笑顔」対「本物の顔」           

5章 内面性       
 1 内面的な援助――祈ること      
 2 スピリチュアルケアにおける信条や宗教 

6章 喪失           
 1 喪失による成長の可能性        
 2 挫折は人生を変える可能性      
 3「がんばろう、東北」より「生きよう、東北」        

7章 スピリチュアルな事柄       
 1 スピリチュアルな出来事に触れて      
 2 スピリチュアルな健康とスピリチュアルな痛み    

8章 スピリチュアルな痛み        
 1 スピリチュアルニーズと痛み    
 2 コントロールできない人生        
 3 スピリチュアルな闘い 
 4 スピリチュアルな痛みの由来    
 5 何を話したらいいのかわからない――無力・無力感           

9章 スピリチュアルケア
 1 スピリチュアルケアの原点・存在意義    
 2 「心・霊・魂のケア」を全ての病んでいる方々に 
 3 スピリチュアルケア    
 4 ホスピスもサプリメントにすぎない――現代人のホスピスへの憧れと希望
 5 ホスピスとボランティアの原点に帰る    

10章 スピリチュアル・ケアワーカー      
 1 叫びに気づく 
 2 スピリチュアルケアのパイオニアとして 
 3 エイズ患者と共に生きる         
 4 患者訪問はチャンスでありチャレンジでもある    
 5 社会の変革者――change agent  

11章 スピリチュアルケアと日本  
 1 社会に対するスピリチュアルな働きかけ 
 2 傾聴――良きスピリチュアル・ケアワーカーであるために 
 3 スピリチュアル・ケアワーカーの仕事場を求めて 
 4 スピリチュアルケアは国際的    

12章 現象――医学/医療        
 1 スピリチュアルケアと日本の医療界       
 2 患者への全人的ケアを願う方々へ          
 3 医療の中心課題は病気ではない 
 4 健康増進活動拠点病院:HPH    

付録 神学が試されている時       
 1 臨床パストラル教育(CPE)を必修科目に      
 2 臨床パストラルケアを可能にさせるCPE
 3 CPEの基礎    
 4 神学カリキュラムに取り入れるための障害と困難 
 5 CPEカリキュラム化から生じる利点       
 6 CPEのカリキュラム化の必要性

 コラム 安楽死について(ある動物看護士の体験から)、
     納得できる人生――目標と手段の区別、他 



■著者紹介 ウァルデマール・キッペス Waldemar Kippes
NPO法人臨床パストラル教育研究センター理事長。文学博士。1930年ドイツ生まれ。1956年来日。ラ・サール学園、鹿児島大学、上智大学、南山大学、アントニオ神学院講師を経て1995年久留米聖マリア学院短期大学教授。
1976年より東京「いのちの電話」スーパーヴァイザー、1991年姫路聖マリア病院で臨床パストラルケア教育の指導、1998年臨床パストラル教育研修センター所長、2007年より現職。全国各地で専門職の養成講座を開き、ケアの指導と普及に身を投じている。






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